大佐の遊び場

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【書評】ゲーム理論を易しく説いた本を読んでみた

 こんばんは、大佐です。今日は書評にチャレンジしたいと思います。今回お話する本で扱うゲーム理論は「ゲームの勝ち方を説いた論理」みたいな風に思われる方が多いと思います。僕もそう思っていました(笑)。

 どちらかというと他人の意思決定をどう予測するのか?みたいな学問です。それを優しく説いた本を読んでみた感想をお話したいと思います。それでは参りましょう。

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今回ご紹介するのは『16歳からのはじめてのゲーム理論』です。

 【目次】

 ゲーム理論とは

 多くの人は第一のゲーム理論というと「ゲームの勝ち方のセオリー」ぐらいに考えているでしょう。僕もそうでした。「ゲームが強くなる本かな?」ぐらいの気持ちで手に取ってみました。そうでもありますが、ちょっと違いますね。

 

 ゲーム理論とはウィキペディア曰く「社会や自然界における複数が関わる意思決定の問題や、相互作用がある者同士の数学的なモデルを使って研究する学問」らしいです。

 これでも少しざっくりにしたのですが、ちょっと頭痛くなりますね。要は「ゲームの参加者の意思決定の仕方を、理論を使って予測しちゃおう」という学問かなとざっくり思っています。

有名なゲーム理論の1つ「囚人のジレンマ

 ゲーマーなら結構な方がご存じかと思う囚人のジレンマ」なんかも、ゲーム理論の1つです。2人の囚人が自白か黙秘かで悩むジレンマ問題ですね。

 両方自白と、片方黙秘の場合が黙秘した方が大損です。そうでない2ケース(一方だけ自白、両方黙秘)が得なのですが、お互い相談できない状況で決断しないといけないというのが、囚人のジレンマです。これもゲーム理論の1つです。

 

 言葉だけの説明でわかり難いなと思われた方は、こちらのサイトの図解を見れば一発でわかります。凄いわかりやすい図があります。

「仕返し」はチームワークに有効とは言えない | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ゲーム理論を優しく物語形式で伝える本書

 本著の一番の特徴は基本的にストーリー形式で話が進むことです。人は論理を説かれるより、ストーリー形式の方が話が頭に入ってきます。

 別の書籍ではありますが『営業の魔法』でも「人はストーリーが大好き」と言ってはばからないぐらいです。ストーリー形式というは感情移入もしますし、頭に入ってきやすいです。本著はその形式を使ってゲーム理論を解説しています。

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人はストーリーが大好きです。頭に入ってきやすいですし、感情移入もできます。

面白かったエピソード

 ケーキの値下げの話ですね。ライバル店が出店してきて、自分の店のケーキより10円安く売っていました。その時自分が値下げすると、ライバル店も値下げして、延々原価まで値下げし合うのか?みたいな話があって、なかなか面白かったです。

 基本的にはこういうわかりやすいエピソードが多く、タイトルの通り高校生ぐらいをターゲットにしている感じがあって優しく解説されています。

欠点

 もちろん欠点もあります。

1.内容が多くなく、読書ペースの遅い僕でも一日で読了した。

2.登場人物の誰が喋っているのかわかり難い

 

 1はあくまでも入門書と割り切ったデザインなのだと思います。とにかく読みやすいし、するする読めます。しかし、すぐ読み終えてしまいます。電子版を買いましたが1400円台は少し高い気がしましたね。内容対価格でいうと何度も読む人向けかと思います。

 2は結構厄介な欠点です。吹き出しの前に名前が書いていないので、誰が今喋っているのか文脈から読み取る必要があります。Amazonのレビューでもこの問題点は結構指摘されています。少し注意が必要かなと個人的には思います。

総評

 わかりやすくゲーム理論を解説してくれています。集団の中で皆がどう意思決定するのかを予想する考え方を身に付けることは、なかなか面白い学問だと思います。

 本著は物語形式をとっているので小難しい話は抜きにして楽しめます。一応、解説の部分で専門的な話も出て来るので単に浅い内容に収まらないような努力はされています。ですが、あくまでも入門書としてのポジションは崩していないといった感じです。

 

 悪くはないのですが繰り返し読む人でないと、少し書籍代が高く感じました。1400円というと分厚い本が買える値段なので、少し物足りなかったなという思いがあります。

 そこだけですね、不満は。700円ぐらいで売っていたら強く人に勧めて回りますが、1400円はなかなか思い切った値段設定かと思いました。

 

今日のまとめ

・『16歳からのはじめてのゲーム理論』の書評を書いてみました。

ゲーム理論は特定の利害が絡む状況での、参加者全員の行動を予想する学問です。

・超有名なやつが「囚人のジレンマ」です。知っている人は少なくないはずです。

・本著ではゲーム理論をストーリー形式でわかりやすく解説しています。

・欠点は内容対価格ですね。ちょっと1400円にしては高いなと思いました。

 

以上です。読んで下さり、ありがとうございました。