【ボードゲーム攻略記事】チグリス&ユーフラテス
今回はボードゲーム界で名作と名高い「チグリス&ユーフラテス」の攻略になるような記事を書きたいと思います。
日本で五指に入るぐらいの有名プレイヤーで、チグユーの作者であるクニツィアフリークで有名なけがわさんとオンラインで20戦近く対戦した経験があります。またボードゲームの方も10~15回はプレイしており、少なく見積もっても30プレイはこのゲームをプレイしたと思います。
「チグリス&ユーフラテス」が長時間ゲームであることを考えればかなりのプレイ回数とやり込みであることは納得していただけるかと思います。
【目次】
- お断り
- チグリス&ユーフラテスについて
- 1.得点はまんべんなく取れるよう目指す
- 2.最初は宝物の取り合いを意識する
- 3.ディスカード(タイル交換)は弱い
- 4.タイルの色の偏りは戦争かモニュメント建設に充てる
- 5.国王の特殊能力はそんなに強くない
- 6.リーダーは神殿で囲もう
- 7.ほかの国とは2マス離しておく
- 8.災害タイルは意外と余る
- 以上で基本編は終了です。
お断り
本内容は基本のルールを最低限理解している人向けです。ルール解説は入れませんのでご容赦ください。
どんなゲームか詳しく知りたい方は素晴らしいレビューがありますので、そちらをどうぞ。https://www.gamers-jp.com/playgame/archives/000874.html#euphrat&tigris
チグリス&ユーフラテスについて
このゲームのことを知らない人のためにざっくり解説させていただきます。プレイヤーは4種類のリーダーと文明タイルを使って国を作ります。タイルとリーダーの集合が国であり、1つの国は複数のプレイヤーで運営されることもあります。
1つの国で複数のプレイヤーで運営されると利害関係が複雑になり、なかなか難しいのですがその制御不能な感じがなかなか面白いです。
また4種類のタイルとリーダーだけで、国家の勃興と衰退、戦争・権力闘争など複雑な要素の表現を可能にしているのが最大の魅力といえるでしょう。奇跡的な完成度であり、実際凄いゲームだと思います。
しかし、反面としてやれることは多いので初回プレイ時は何をして良いのかわかりにくいです。5プレイぐらいは遊ばないことにはこのゲームの真価は見出しにくく、経験者とプレイすることが推奨されると思うゲームです。
難点としては国家間の戦争がダイナミックな破壊っぷりで、自分の愛着を持って育てた国が木っ端みじんにされることも珍しくないです。女性プレイヤーの方は敬遠することも珍しくないのでそこは頭に入れておきましょう(笑)。
この記事は全2回に分けて基本編とテクニック編に分けて書きたいと思います。今回は基本のお話をしていこうと思います。
1.得点はまんべんなく取れるよう目指す
このゲームの最大の指針は得点システムです。チグユーは4色ある得点の中で最小のものが自分のスコアになる最小比較制になっています。
このルールがプレイヤーに与える指針はわかりやすく「4種類の得点をまんべんなく取ること」です。まず総得点が50点の2者ケースで比較してみましょう。
例1.総得点50点の2人のスコア
Aプレイヤー 13-13-12-12 (12点)
Bプレイヤー 25-12-8-5(5点)
AプレイヤーもBプレイヤーもどちらも総得点は50点です。ですがこのゲームのルールは最小の点数を比較するのでAはBに対しスコアで7点差の大差をつけていることになります。
実際ここまで極端な差はゲームではなかなか起きませんが、得点効率の良さはこのゲームにおける大事な要素であることは納得していただけると思います。
手数は概ねすべてのプレイヤーは同じ(3・4番の人は1手番分損するかも)なので、いかに得点効率をよくするかがこのゲームのカギであることは間違いないでしょう。
2.最初は宝物の取り合いを意識する
宝物は得点におけるワイルドカードです。このゲームの得点はタイルの引きに左右されるところが大きく、制御するのは初心者であればあるほど難しいです。そのコントロールをとても簡単にするのが宝物です。
なのでゲーム最序盤は宝物の争奪戦と自分の国のテリトリーの確保し合いになりがちです。まずはそこを意識してゲームをすると良いです。もちろんできるだけ4色むらなく得点することを忘れずにです。
宝物は非常に強いので安易に渡さない方が良いです。戦争が起こる形でリーダーを置いて、けん制するなども大事な動きです。
3.ディスカード(タイル交換)は弱い
これはゲーム熟練者ならすぐにわかると思うのですが、1手番消費してタイルの入れ替えをやるのは上策ではありません。4人では1手番がかなり貴重でまずなく、3人でもほぼほぼやらないし、2人でようやく選択肢の一つになり得るぐらいです。
タイルの枯渇はゲーム終了条件なので、ゲーム終了タイミングを早めるために自分が勝っている時と確信した時にディスカードを2連打することはあります。全く忘れていい選択肢でないことも合わせて書いておきます。
4.タイルの色の偏りは戦争かモニュメント建設に充てる
ディスカードしたければ戦争を仕掛けるのが一番簡単です。特に赤いタイルで行う内部戦争は赤いタイルを吐き出すのに向いています。
言い換えればですが、そもそも特定色が偏っているのは戦争のチャンスです。ボード上の相手に見た目の戦力差に3(赤は総タイル数が多いので4~5差)も差をつけられそうなら積極的に仕掛けましょう。
総タイルの配分はざっくりいうと赤が2に対し、その他3種がほぼ1です。手札は6枚なので期待値は赤は2.2、その他は1.2枚ぐらいなので赤以外で3の戦力差はかなり優位性があるといってよいと思います。赤は4差つければまず負けないと思います。これは戦争を仕掛ける際にざっくり目安にしても良いと思います。
もちろん期待値なのでそれだけの差をつけても勝てないことはあります。心配ならば災害タイルなどで相手の戦力を削いでから挑むのも良いですね。
外部戦争は国家の勢力図を大幅に変えるため、リスクが小さくはないです。ですが、優位性のある戦争は果敢に仕掛けましょう。リスクは大きいですがリターンも大きいです。
というか戦争は避けがたいゲームデザインなので誰かがいつか必ずやらなければいけないといっても過言ではありません。
これは言うまでもないかもですが、負け戦の際も要らないタイルは可能ならあるだけ捨てておきましょう。負け戦はフリーアクションのディスカードだということをお忘れなくです。
モニュメントの建造は外部戦争の戦力が大幅に犠牲になるので、くれぐれも乗っ取りや戦争に注意しましょう。序盤に立てるならマップの端がお勧めです。
モニュメントは占有している時間が長ければ長いほど仕事をします。攻め込みにくいところに建て、十分に仕事をしたのちに乗っ取られる分にはしょうがないと思えるほど点数を稼いでくれるでしょう。
他にも青いタイルは川にしか配置できないので使い勝手が悪いので、戦争しないつもりなら貯め込みすぎないよう意識したいです。青いタイルが多い時は川に近いところを陣取って使って行きましょう。
5.国王の特殊能力はそんなに強くない
これは少しやればわかると思うかもですが、国王の該当リーダーの居ない色のタイルを置いた時に得点できる能力はそれほど強くありません。例えば下の国を見てください。
極端な例ではありますが、この国では国王の能力で赤の得点を稼いでいます。この状態を放置すると他のプレイヤーの赤いリーダーに乗っ取られるリスクが非常に高いです。なんだったら右の方は赤2つ足してモニュメントを作る余裕すらあります。
国王の得点ワイルド能力はやり過ぎると他のプレイヤーの乗っ取りのリスクが高いことを頭に入れておくと良いと思います。
6.リーダーは神殿で囲もう
これは基本中の基本といっても良いのですがリーダーは最低2マスは神殿に隣接させてください。1マスだけのリーダーは宝物のある神殿に隣接させましょう。
これはなぜかというと1マスしか神殿に隣接していないリーダーは災害タイルで隣接する神殿を除去されると盤面から取り除かれるからです。簡単に国の乗っ取りを許してしまうというわけです(宝物ありの神殿は災害タイルが置けません)。
また内部戦争の際に隣接する赤い神殿の数を参照するので、内部戦争にも強くなります。なので最低2マス以上は神殿に隣接させましょう。3マス隣接すれば守りはかなり強固です。
7.ほかの国とは2マス離しておく
この理由は単純明快です。1マスしか離れていないと災害タイルで国を分断して、戦争を仕掛けるという一連の流れを許してしまうからです。逆に1マスしか離れていない国を見かけたら災害タイルから戦争のコンボは常に意識したいです。
災害タイルで1つのリーダーを弱体化させるだけでもかなり効果的です。なぜなら戦争を仕掛ける順番を攻める側が決めれます。これは攻め側の最大の優位性であり、守り側の戦力値タイで勝つハンディキャップなんかものともしない強さがあります。
仕掛ける順番次第では弱体化したリーダーを倒して、次のリーダーも弱体化させられてと、あれよあれよと連鎖反応的に戦争を有利に進めることも可能です。こうなってしまっては立ち直るのは難しいです。
なので必ず自分から1マス分まで近づけてターン終了することがあるのならば、災害から戦争を仕掛けられるリスクは意識したほうが良いでしょう。
戦争はどの順番で解決するか等、パズルを解くみたいな頭の使い方をしないといけないのはこのゲームを難しくしている要因といえます。なので初心者の方は上級者の方が本気出すとまずチグユーの洗礼を浴びせられることは避けがたいでしょう(笑)。
8.災害タイルは意外と余る
これは熟練しても思うことですが、災害タイルは結構1枚ぐらい残したままゲーム終えることが多いです。災害タイルは2枚しかなく、その効果は強力なので思わず温存したくなる心理が働くこともあると思います。
ですが、熟練したプレイヤーでも1枚ぐらい余らせることが多々あります。それはなぜか考えてみたところ、災害タイルは直接的利益になる行動ではなく、間接的に利益になる行動だと思うからです。要は使いどころがこない限り使わないといってよいでしょう。
ざっくり考えてみたところ、災害タイルの使い道は以下の3つだと思います。
1.外部戦争や分断した箇所の乗っ取りを目的とした相手国家の分断
2.神殿1つしか隣接していないリーダーの除去
3.内部戦争目線での相手リーダーの弱体化(隣接神殿数を減らす)
この辺りが思いつきます。このようなシチュエーションが有効なのはゲーム中、何度も何度もあるわけではないので、機会がくれば思い切って使って行って良いと思います。
この手の機会が限られている強力なアクションは切りどころが難しく、プレイヤーのゲームの全体感を持ってプレイしているか否かや、思い切りの良さが出るアクションといっても良いと思います。
災害タイルを思い切って使うべきところで使えることは「チグリス&ユーフラテス」のプレイヤーレベルを1段階高めてくれるといって過言ではないと思います。
以上で基本編は終了です。
どこまでを基本編としどこまでを応用編とするかはかなり迷いましたが、これで基本編を終了とします。正直、テクニックや意識することだけでこんなにもあるというのに書いていて僕も驚きました。
かなり奥の深いゲームなのでまだまだ、僕も知らないようなテクニックや手法があるかもしれません。
今回の内容は初心者やこれから「チグリス&ユーフラテス」をプレイする人向けの内容となっています。もし遊ぶ機会があれば当記事をこっそりカンニングして遊べば、勝てるかもしれません(笑)。その時はこっそり僕に教えてくれると嬉しいです。