推しデザイナー語りその3「ミヒャエル・シャハト」
こんばんは、大佐です。最近アクセス数の伸びが凄くて嬉しい反面。毎日の更新のハードルの高さに参ってしまいそうです。ちょっと来月からどうするかは考えておきます。
今日のお題は推しデザイナー語りの「ミヒャエル・シャハト」編を書いていこうと思います。「クニツィアが好きならばシャハトも好き」ってぐらい、クニツィアとシャハトはボードゲーム界の2大巨頭と言えます。
かつてはクニツィアとクラマーが対比されることが多かった気がします。しかし、今ではどうなのでしょう?個人的にはシャハト、クニツィアだと思っています。その辺の意見を聞いてみたいですね。
話題がそれましたが、それでは本題に参りましょう。
【目次】
シャハトの作風
基本的にはクニツィアの作風に近いと思っています。しかし、いくらか相違点はあるかと思います。特に顕著なのが『ムガル』です。
なんとゲームのイラストはシャハト本人が描いたものらしいです。ゲームデザインの腕もさることながら、イラストの方も上手いのです。
このシャハトのアートの感性がクニツィアとの大きな差の1つではないかと思います。実際お洒落なゲーム多いですからね。代表作『王と枢機卿』なんかも超お洒落ですし、貴族の建設ゲーム『パトリツィア』といい、オシャレなゲームですよね。
またクニツィアに比べると若干窮屈なイメージがあります。クニツィアの方が自由度が高く、シャハトの方が自由度が低いイメージがありますね。ここは良く働く時と、悪く働く時があるので一長一短です。
2人しか友達(テストプレイヤー)が居ないというジョークがある
シャハトのゲームの多くは3人ベストのものが多いです。まあ、プレイヤー間相互作用の強いカードドラフトゲームは3人がベストなので、どうしてもそうなりやすいです(笑)。
この3人ベストのゲームをよくデザインするためか、「シャハトは2人しか友達がいない」なんてジョークがあるほどです。『ゴールド』なんて2~3人しか遊べませんからね。割り切ったデザインと言えます(笑)。
シャハトの代表作
シャハトはどうしてもクニツィアと比較しやすいので、クニツィアの記事と混同しそうになります(笑)。なので、個々の代表作に触れていこうと思います。
王と枢機卿
シャハトといえばまずこれ、鉄板名作。古のゲーマーなら知らない人の方が少ないレベルのゲームかと思います。
エリアマジョリティという影響力比べをするのですが、1つのエリアで2種類の影響力比べがあるのが面白いところです。スコアシステムも面白く、1人で頑張ってはダメの典型です。一筋縄ではいかないようデザインされています。
要求プレイヤースキルは高めで、合う合わないはまあまああるゲームです。ですが、長年ゲームを遊んでおられる方は一度はプレイしてみれも良いでしょう。もう少し詳細な情報が知りたい方はこちらもご覧ください。
コロレット
カラフルなカメレオンで妙におしゃれ感ある作品です。シンプルなセットコレクション(同じの集め)ですが、種類数を集めすぎるとダメというゲームシステムが悩ましい、カード取りゲームです。
1枚で利益確定したくなりますが、それでは勝つのが難しいのでどこかで欲張る必要がありそうです。ちなみに現在未所有なのでそのうち買います(笑)。
ムガル
シャハトの3大代表作の1つです。残り2つは『コロレット』と『王と枢機卿』です。イラスト・内容物が自作なのにいずれも完成度が高いです。
株を競って購入し、来るべき大暴落までに売りぬくゲーム。ボードゲームの株式ゲームは『アクワイア』や『大勝負』など右肩上がりの相場のものが多いのですが、本作では明確に売りぬかないと、株券は紙切れというバランスになっています。
コインを丼に放り投げるタイプの競りで、1枚丼に入れると続投できます。降りるときは、丼の現在たまっているコインを全部貰って競りを抜ける方式です。コインがいっぱい貰えると、競りに勝てなくても嬉しくなるアレです(笑)。
本作はこの丼の競り(ゼロサムの競り)と、暴落までに株を売りぬく2つの異なるゲームを同時にプレイしていると差支えありません。しかし、その2つが有機的につながっている不思議なゲームです。凄い作品です。
あと、面白いのは第二位まで特典があることです。基本は1位狙いをすべきですが、2位でも良い場面がなくはないことがこれまた面白いところです。
詳細が気になる方はこちらもどうぞ。ワンチャン、トップPVが狙えるかもなので、応援してくれると凄く嬉しいです。
パトリツィア
シャハトの隠れた名作。遊んだ人はだいたい口々に「名作!」と言って回るのにも関わらず、流通状態・知名度の2点でやや難のあるゲームです。
基本的には影響力比べ(エリアマジョリティ)のゲームですが、同数ならより上に塔パーツを置いていると有利というのが、積み上げる塔コマを活かしたゲーム性と言えます。
よく比較に出される『プエルトリコ』のザイファルト『マンハッタン』がありますが、個人的にはこちらの方がよりゲーマー向けで良いゲームだと思います。シャハトの『マンハッタン』って感じの作品です。
あとは結構ナチュラルにあまりいやらしくなく殴り合えるゲーム性も特色ですね。貴族の陰湿さと貴族らしい雅さが感じられるゲーム性ともいえます(京〇人みたい)。
詳細が気になる方はこちらもどうぞ。あと1PVで100行くんでお願いします。
ゴールド
シャハトの2~3人ゲームです。まずプレイ人数が2と3人だけってゲームが凄い珍しいですね。
だいたいはプレイ人数を広くしてセールス面で有利にしようとします(そういうゲームは最大人数のどちらかは最小人数はゲームにならないことが多いです)。
そう考えるとこの人数設定はある意味、シャハトの誠実性を感じる人数設定です。
ゲームとしてはカード取り合い(ドラフト)ゲームで、同色を集めるセットコレクション要素があります。ロバは-2点なのだけど、めちゃめちゃ交換で優秀なので上手に使いたいです。
同色が3枚集まると自動で得点に変わります。ロバが2枚得点に変わったりすると、ロバのあの何とも言えない顔に一発お見舞いしたくなりますね(ジョークです)。
本作も『パトリツィア』同様評価は高いのに絶版と言う悲しいゲームの1つです。『パトリツィア』と『ゴールド』は早く再販されてほしいですね。
もっと詳細が知りたい方はこちら。60PVにすら満たないゲームというのはちょっと残念です。もっと知られてほしいので見てやってください。
ハンザ
シャハトの代表作の最後に挙げるのは『ハンザ』です。バルト海の商売をテーマにしたゲームで、お金を払ってぐるぐる移動して販売所を作ったり、商品を買うゲームです。
今まで紹介したゲームで一番難易度が高いです。間違いなく上級者向けです。2人プレイは実力が合わないとボコボコにできるレベルかと(笑)。
面白いのが「お金=ほぼ行動力」なのにも関わらず、次のラウンドまでいくらか持ち越せます。しぶしぶ行動するぐらいなら、もっと良い行動のためにお金を残せるのは良いシステムです(が、このシステムがゲームの難易度を上げています)。
もっと詳細が知りたい方はこちらもどうぞ。
他に遊んだことのあるゲーム達
いっぱいあります。『クレイジーチキン』、『カリフォルニア』、『パリス』、『インダストリア』、『ズーロレット』などをプレイしたことがあります。
『カリフォルニア』、『パリス』あたりはまた遊んで評価してみたいと思っています。シャハトのゲームは本当にいろいろありますね。大御所って感じがします。
自分的なお勧めゲーム
まずは『コロレット』から入るのが無難です。次いで『ズーロレット』でしょうか?
しかし、最終的には『王と枢機卿』と『ムガル』はどちらかは遊んでほしいゲームです。どちらも素晴らしいゲームです。そこから両方、あるいは片方を気に入ったら深堀りしていけばよいかと思います。『ハンザ』は上級者向きなので、最後で良いかと思います。
『ゴールド』と『パトリツィア』は良いゲームですが入手難易度は高めです。自分はどちらも海外から輸入しました。
終わりに
クニツィアとシャハトはシンプルかつ、リプレイの価値の高いゲームを求める人には避けて通れないデザイナーかと思います。シャハトはクニツィアほどテーマを置き去りにはせず、かつお洒落なゲームをデザインします。ほどほど間を行っている良いデザイナーだと思います。
ただ、ゲーム性は「クニツィアジレンマで胃に穴が開きそうだ!」ってなるタイプの人にはやや不向きかもしれません。
シャハトのゲームはプレイヤーのスキル要求度が高く、ルールはシンプルだが難しいゲームが多いです。まずは『コロレット』からと強く推すのはこのためです。そこから深みを探求していくという形が一番かと思います。
余談ですが自分は競技『マジック・ザ・ギャザリング』をプレイしていて、ゲーマーとしてのレベルが大分上がりました。そのため、よりシャハトのゲームを楽しめるようになりましたね。
今日のまとめ
・推しデザイナー語りのシャハト編をお送りしました。
・初心者はまずは『コロレット』から
・個人的には『王と枢機卿』と『ムガル』!
・この2つを気に入ってもらえたら絶版だが『パトリツィア』と『ゴールド』
・『ハンザ』は上級者向け、シャハトを極めし者が挑みましょう(笑)。
以上です。読んで下さりありがとうございました。