大佐の遊び場

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【ボードゲーム攻略記事】チグリス&ユーフラテス 応用編

 こんばんは。大佐です。今回はボードゲームの攻略記事の「チグリス&ユーフラテス」の応用編と行きたいと思います。応用編では基本を踏まえた上でのやや特殊シチュエーションにおける高等テクニックみたいなもが多いです。基本編に比べれば使える場面は限られています。

 応用編ではこのゲームはプレイングの自由度が高いことを知っていただき、かつ自分のプレイングの引き出しを広げておくことが可能になる話が多いかと思います。是非ご覧ください。

 あと今更ながら基本編で貼り忘れたのでAmazonのリンク張っておきます(笑)。

チグリス・ユーフラテス (Euphrates & Tigris) 日本語版 ボードゲーム

チグリス・ユーフラテス (Euphrates & Tigris) 日本語版 ボードゲーム

  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

【目次】

時には得点を奢ってモニュメントを建てる

 相手プレイヤーに得点を奢るのは基本的には損なアクションです。ですがモニュメントの建造となると少し話が変わってきます。

 他のプレイヤーが置いたタイルを利用してモニュメントを建造すれば、モニュメント建造時のデメリットである国力低下をさほど問題にしなくて済みます。

 また得点面でもモニュメントの恩恵に預かれる色は得点が余ってしまいがちです。このゲームは最小の得点を比較するので一色の得点が突き抜けてあることは、あまり意味がありません。

 ですが1色の得点が突き抜けて獲得できれば、残り3色の得点獲得に集中できる優位性(アドバンテージ)を与えることもお忘れなくです。

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ここの緑2枚を利用してモニュメントを建てると?

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こっちも青の得点に預かれて、弓の緑の戦力は0に。

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そのまま一気に仕掛けるのもあり。勝てばモニュメントの点数も総取りに。

 モニュメントを奢ってそこを殴って奪い取る戦略を行う上で注意したいことがあります。それはモニュメント建造時に国力が低下した色の戦争で負けたら、国が寸断されて自分のリーダーに不利益になる場合もあります。必ず倒したいリーダーが負けたらどうなるのかは考えたいです。

 よく考えてタイル配置やモニュメント建造したいところです。

リーダーの再配置で国を分断する

 僕の思う高等テクニックの1つです。分かっているプレイヤー同士でも結構できるシチュエーションがあります。例えばこんな国があったとします。

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これをうまくやればかなりおいしく分断できます。まずは考えてみてほしいです。

 上手いプレイヤーが見ればこの国はそこそこおいしい形で分断できます。今回は獅子プレイヤー目線で考えていきます。僕がパッと思いついたのがこれです。

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緑のリーダーを移動し国を分断。青いタイル3枚を乗っ取りました。

 こういうこともできるという実例だけど重視した結果、ややイマイチな写真になってしまいました。申し訳ない。これだと弓の戦力5の神官に殴られるリスクが高いので、獅子はたくさんの青のタイルを持っているということにしておいてください(笑)。

 国を分断できるのは災害タイルだけではないということを頭に入れるだけで、このゲームのプレイングの引き出しはかなり広がります。

強い国は外からでなく内部から乗っ取ろう

 ゲーム終盤になると圧倒的に強い国が1つは出てきます。もう外部戦争で倒すのは難しいまでに強い覇権国家が誕生してきます。この国を打ち倒すのは困難です。

 なのでこういう国は内部から乗っ取りましょう。リーダーの再配置や、災害タイルを使って国家やリーダーを分断しては乗っ取りましょう。災害タイルでリーダーや国を分断して乗っ取るのは低リスクでお勧めの手です。

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この国は青のリーダーが神殿1つしか接していないので付け入る隙があります。

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災害で青いリーダーを除去し、乗っ取りに成功した図

 内部戦争もお勧めですが上手いプレイヤーはリーダーを神殿で囲っているので、内部戦争で勝つのはなかなかハードルが高いです。赤いタイルを手札に偏らせるのも難しいので、無理のない範囲で挑むと良いでしょう。

 また災害タイルで相手の隣接する神殿を1つ減らすなども有効です。リーダーに隣接する神殿は常に内部戦争の際に戦力値にブーストがかかります。それを削げるのは決して小さくありません。

国は縦横に長くし過ぎない(分断に強くする)。

 今度は防御の面のお話です。国作りで大事なのは乗っ取りに強い国を意識することが大事とも言えます。最低限として基本編でもお話したリーダーを2枚以上の神殿で囲って1枚の災害で分断されない構造にしておくことは大切です。

 わかりやすく言うと縦横に長い国は分断に弱く、災害やリーダーの再配置などで分裂させられやすい国と言えます。下の国をご覧ください。

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横に長い国の典型。分断に弱く乗っ取られやすく、戦争にも負けやすいです。

 上の国は獅子の青の下に災害置いて、隣の宝物付きの神殿に他のプレイヤーが青を置いて分断乗っ取りも可能ですし、そのまま戦争を仕掛けて青を大幅弱体化して殴っても良いです。かなりどうとでも料理されうるリスクの高い配置と言えます。このような配置は避けたいです。

 

 逆に分断に強くするというと円環状に2か所で国が繋がっていて、一か所の災害などで分断されないとか、2マス以上の幅を持って縦横に拡張することが挙げられます。こんな国は分断に強いといってよいと思います。

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分断に強い国。災害タイル1枚で国が分断されず、リーダーも神殿で囲ってあります。

 しかし分断に強く作ると陣取り面で遅れを取りやすいです。そこはリスク・リターンを考えて拡張していきたいです。宝物が欲しい時とかは多少縦横に伸ばすのもありだと思います。

 基本的には欲張らず、分断に強く国を拡張していくほうが戦争で勝ちやすいように思います。また負けにくいです。戦争の大量得点の機会を考えるとかなり馬鹿にできないと思います。

 なので僕は分断に強い国は長期で見た総合リターンで勝ちやすいのではないかと考えています。基本は分断に強く作ることをお勧めします。

リーダーを退かせて戦争を回避する

 これもたまにやります。戦争になりそうな2国で明らかに負けそうなリーダーを退かせて戦争を有利に持っていくことや、国の合併を受け入れる形を取ります。

 戦争で負けてしまうと相手に大量の得点を許してしまいます。いいように分断された国で戦争を続ける羽目になったり散々です。また立て続けに戦争で殴られるリスクがあります。

 

 例えばこんな国があったとします。弓のプレイヤーは間近にいて殴る機会を伺っています。

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青の弓の戦力は5でこちらは3です。戦えばかなり不利です。

 こういう時にあえて争うことをやめて国を合併してしまうのも手です。この場合においてこちらの利益は宝物がいただけることもありますし、まあ無くはない手の範囲ではないでしょうか?

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青のリーダーは手元に戻すより、どこかに再配置したほうが良いです。

 獅子の青いリーダーを移動させて(写真では手元に戻していますが、盤上に再配置がお勧めです)、こんな形で合併を受け入れることもできます。

 この手法を覚えておくと相手の強そうなリーダーとの戦闘が避けられない時に、負け確定のリーダーを引っ込めて戦争を有利に運んだりいろいろな形で応用できます。

 ぶっちゃけていうと災害よりもリーダーをうまく使う人のがゲームが上手いといってもいいかもしれません。リーダーの使い方が上手な人はこのゲームがまず間違いなく上手といって過言ではないでしょう。

戦争は青いリーダーを特に意識する

 戦争は仕掛け側がどのリーダーから戦うかを選択でき、防御側は戦力値がタイでも勝てるという優位性があります。

 ですが、僕は攻め側の利点が圧倒的に優れていると思います。それはなぜかというと、倒したリーダーの支援者(リーダーと同じ色のタイル)を除去できてしまうからです。赤いリーダーだけは少し例外ありますが後述します。

 これをうまく利用すると国を大幅に分断して弱体化させたうえで戦争を継続できます。上手くやれば連戦連勝し、相手の国を壊滅させることができます。

 

 特に青のリーダーを倒せばまず川で分断できます。川を隔てた国はどうしても川のタイルがなくなると分断されやすいからです。例えばこんな国があったとします。

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青のリーダーで殴ればかなりおいしいシチュエーション

 まず青のリーダー同士で戦わせます。戦力差が大きく目論見通りそのまま勝利したとします。するとこうなります(除去されたリーダーとタイルは左端にわかりやすくするために置いてあります)。

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まず左上の赤と黒のタイルを分離し、戦力を低下させました。

 このまま次は黒のリーダーで殴っていけばさっきは均等だった戦力差に1の開きが出たことになります。で、そのまま勝利したとします。

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黒を討ち取られると一気に弱体化する緑のリーダー。

 これで緑のリーダーの戦力値は大幅ダウンです。一気に0になりました。結果殴り勝ってこういうことになることがあり得るのです。そのまま緑にも勝てばこうなります。

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ほとんど孤立してしまった赤のリーダー。

 ここまでうまくいくことは稀ですが、プレイヤーは戦争による分断は意識してタイルを置いていることは稀です。というよりも川を挟むとほぼできません。なのでよく考えれば展開を有利に運ぶ戦争の処理順というのが見つかることは多々あります。

 この戦争における連鎖反応みたいなのは、キレイに自分の思い浮かべた通りに運ぶととても気持ちいいです。これがそれなりにパッと思いつくようになることは上級者の必須事項にすら思います。

 

 ちなみに赤のリーダーだけは特殊でリーダーが隣接している神殿を除いてしか除去できません。おそらくは神殿も同じように処理してしまうと、赤のリーダーを倒すと他のリーダー全てを除去できるので神官ゲーになってしまうからでしょう。

 赤のリーダーが絡む戦争での国家情勢の変化もパッと出てくるようになることも、上達においては必須事項といえます。

戦争にわざと負ける

 これも必殺級の裏技です。戦争に特定リーダーの故意に敗北し、残りのリーダーの戦争を有利に運ぶという荒業です。

 戦争は勝ちを目指すと不確定でリスクの高いアクションですが、基本の戦力値でタイ以上のリーダーの戦争で負けるのは簡単です。戦力値がタイで先手を取れば必敗。あるいは不利な状況ならタイルを1枚も出さないだけて必ず負けられます。

 例えばこんな状況があったとしましょう。

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弓プレイヤー目線だと神官(青)が負けると下の国の戦力を大きく削げますね。

 先ほどの青いリーダーの戦いを意識するの回でもお話したように青のリーダーは大きく分断させる目線でいくと重要なポジションなのが納得していただけると思います。

 

 壺プレイヤーの神官は基本の戦力値で勝っているので神官で負けるのは確実に行えます(笑)。出来レース可能なので青4点奢りますが、その他の戦争を大きく有利に進められるでしょう。解決するとこうなります。

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青で出来レースするとこんな感じ。残り2人のリーダーを一網打尽にできそう。

 この後もう1手残っていたら黒のツボも追い打ちできますね。自分がわざと負けることでもトータルで得するなら、やる価値はあるでしょう。

 ある意味戦争の結果を操作する上級テクニック中の上級テクニックといえるでしょう。ここ一番で決められるとギャンブル漫画の主人公みたいな気分を味わえます(笑)。

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気分はギャンブル漫画の主人公(笑)。

プレイの引き出しを増やしてほかのプレイヤーと差をつけよう

 戦争の処理順にリーダーの再配置による国の合併や戦争を有利に運ぶやり方や、災害タイルを絡めていけることを考えると、このゲームの可能性の広さが凄まじいことが分かってもらえると思います。ゲームとしての奥の深さは奇跡的といっていいと思います。

 大事なのはこれらの特殊なシチュエーションは長くやっていると結構役に立つことがあるということです。思っているよりも現実的な選択肢なのでプレイしながらいろいろ模索していくと良いでしょう。とにかくやり込みが大事です。このゲームは技術介入度が高くやり込みゲーです。

 アンドロイドのソフト(有料)でこの記事の内容を実践してみるとひそかに練習できてお勧めです(笑)。2017年のプレイした記録で圧勝したスクリーンショットがあったので貼っておきます。

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少なくとも昔のCPUは滅茶苦茶弱かった!

 結局は実践(プレイ)する中で試行錯誤し、上達を目指していくことが大切ということです。まあ、本記事の価値を下げてしまう発言ではありますが、これを見てくれた方は少なくともプレイの面でアドバンテージが得られるであろうと思って書いてはいます。

 

 攻略だけを目的に来てくれた方もこのゲームの可能性ややり込み要素の凄さをいくらか体感してもらえたら幸いです。

 素晴らしいゲームなので今後もずっとプレイされていくだけの価値があると思いますし、是非とも皆さん「チグリス&ユーフラテス」をプレイしましょう。何度も再販されているゲームなので、名作なのは間違いありません。

 結局言いたかったことはこの一文に集約されるかもしれませんね(笑)。

謝辞

 基本編が60アクセス以上の記録を達成し月のPVが初めて100を超えました。弱小ブログですが、大きく貢献してくれたのは友人のやおきんさんのリツイートのおかげです。感謝しています。もちろん長々とした記事を読んでくださった皆様にも感謝しております。

 当ブログは基本は仕事術・生活のための知恵が中心の投稿内容となっていますが、そちらも是非よろしければご覧になっていただけると嬉しいです。

 また機会があればボードゲームに関する記事も投稿していこうと思っています。次回のゲームマーケット大阪には参加予定なのでその記録ぐらいは書く予定ですので、今後ともよろしくお願いします。