メンバーズオンリーの再販は買いか?見送りか?
つい最近クニツィアの名作「メンバーズオンリー」が再販されることが発表されましたね。再販されるのは人気がある証拠と言えるでしょう。買うべきか、見送るべきかを様々な観点から検証していきたいと思います。
【目次】
- 待ちに待ったメンバーズオンリーの再販に絡む小話
- リメイクは一度はされているが……。
- 2020年に待ちに待ったオリジナルの再販!
- この再販の評価すべきと思う点
- それでもやっぱりイラストには思うところがあります
- 再販後にイラストやテーマが変わることについて
- テーマ・イラスト違いはプレイヤーに選択肢をもたらしてくれる
- 結論、買いか?見送りか?
待ちに待ったメンバーズオンリーの再販に絡む小話
今回再販の対象となったはクニツィアの「メンバーズオンリー」は1996年に発売されたタイトルです。大分およそ24年前のゲームだったということですね。
本作は日本国内で長らく人気でした。海外ではそうでもなく、日本国内だけ人気という特殊性かあまり再販されることはありませんでした。
そのためか中古品でも高額でやり取りされ、状態の良い物は10000円を超えることもあるぐらいのプレミアゲームでした。
ゲームの内容について詳しくという方は下記リンクで僕なりにざっくりレビューしているのでよろしければどうぞ。
リメイクは一度はされているが……。
「メンバーズオンリー」のリメイクの「グレンの画廊」は2010年に発売されました。しかし、このリメイクは歓迎ばかりされたわけではありません。
中でもわかりやすい賛否の分かれる箇所があり「メインのゲームボードが6つに分裂した」のです。冗談みたいな話ですが本当です。
「グレン画廊」は機能性に大きく難があって大ファンのけがわさんも酷評
このリメイクを良しとできるかはかなり賛否がありそうですが、大のクニツィアファンであり、「メンバーズオンリー」好きのけがわさんですら苦言を呈したほどです。
けがわさんの「グレン画廊」のレビューはこちらです。よろしければどうぞ。
https://www.gamers-jp.com/playgame/archives/001082.html#glennsgallery
僕個人としてもこのリメイクはあまり好みではありません。一番はボードが6つに分裂して大分機能性が悪くなっているところです。正直現在も米国Amazonに在庫があるぐらい売れ残っているみたいです。(普通ボードゲームは10年たてば絶版なのに)。
2020年に待ちに待ったオリジナルの再販!
リメイクの「グレン画廊」から10年。オリジナルの再販という意味では24年ぶりの再販ということになりますね。文字通り待ちに待った再販といえるでしょう。グループSNEさんは素晴らしいゲームを再販されたと思います。
個人的には間違いなく日本ボードゲーム史としては偉大な再販の1つです。「ビッグシティ」や「王と枢機卿」に並ぶビッグネームの再販といって過言ではないでしょう。何より僕個人はこの再販を全面的に支持します。
この再販の評価すべきと思う点
1.単純にグレン画廊よりボードが減った。
主にイラスト面の不満が多いようですが、ゲーム本質に差が出るコンポーネントの機能性という点においては、「グレン画廊」よりボードが4枚も減ったのは大きな評価点です。
「グレン画廊」と同じ失敗を避けたことは素直に良いことだと僕は思います。オリジナルに比べれば1枚増えましたが、オリジナルが優秀すぎるだけと割り切れる範囲かなと思います。
単純にボードが多いと手続きが面倒になりますし、何より場所を食いますからね。機能性の良さと省スペース化という恩恵は小さくありません。
2.豪華化再販を避けている
また近年ありがちな、再販にあたって豪華化(高額化)の流れからすれば、価格も据え置きでありがたいです。
デロンジュの「コンテナ」や「ビッグシティ」の再販されたは良いことです。しかし、どちらも定価は15000円~20000円ぐらいとかなり値段になっています。
コンポーネント(内容物)を豪華にして再販されても、再販後の定価がオリジナルのプレミア価格と大して変わらないのは結構疑問に思います。
価格が原因で手が出せなかった人目線では、再販が価格面の問題を全く解決していません。これでは値段が原因で手を出せなかった人が手を出せないままな気もします。
豪華化再販でもオリジナル版の中古相場が値崩れするというような回りくどい形で入手しやすくなる場合もあります。しかし、確実に期待できるわけではありません。
それでもやっぱりイラストには思うところがあります
グループSNEさんの再販にはイラストを現代向けのものにして再販する傾向があります。例外も一部ありますが、中でも賛否が多いのはクニツィアの「バンパイア」、「ポイズン」あたりのアニメイラスト感満載のアートでしょう。
「ポイズン」のイラストを比較してみましょう。
AMIGO版は明らかに毒を作っていることが絵から明らかなボックスアートで、クニツィア本人が描かれているのもポイントです。
コザイク版(日本絵)は毒々しさがほとんどありません。ずいぶん可愛らしくなりました。どちらが良いか好みの範囲だと思いますが、僕はAMIGO版の方が渋くて好みです。
メンバーズオンリーの場合
再販イラストはオリジナルに比べて女性受けを良くした感じがうかがえます。ボックスアートはイケメン執事たちが集まって何かしているような感じです(笑)。ちょっと狙いすぎな感ありますが、現代の人狙いなら仕方ないかなと思う範囲かなと思います。
カードイラストはややごちゃごちゃしており、オシャレさを重視したのだとは思いますが、上下にアイコンがあり機能性は「グレン画廊」よりは良いように思います。
賭けチップはこの値段からすると紙製に見えますがどうなのでしょうか。ここは発売してみてのお楽しみなのかもしれませんね。
再販後にイラストやテーマが変わることについて
再販されてイラストやテーマがらっと変わると、オリジナルを知っている人としては最初に思うのは「雰囲気が壊れる」とか「オリジナルが一番」といった考えがよぎることが考えられます。
イラストの違いを「ポイズン」で比較
例えば先ほど例に出したクニツィアの「ポイズン」はいろいろな版があります。
まずはドーナッツになったポイズンから。これはプレイルーム版ですね。ずいぶん可愛らしいみたい目になりました。
今度は「13日の金曜日」です。これまた全然オリジナル版、ドーナッツ版ともに雰囲気が違います。可愛い黒猫がポイントですね(笑)。おそらくこちらもゲームとしての本質に大きな差はないのではないかと思います。
テーマ・イラスト違いはプレイヤーに選択肢をもたらしてくれる
一番流通しているのが萌え絵や日本絵というのはコアなドイツゲーマーには、あまり好印象ではないかもしれません。しかし、僕個人はイラストやテーマ違いの版が流通することは「自分に最適なエディションを選べる」と考えるようにしています。
再販されたのが気に入らなければ、頑張ってオリジナルを入手することを目指すこともありますね。
僕個人はだいたいは費用対効果で「再販版でいいや」と妥協することが多いです(笑)。また、遊んでいく中で気に入れば売ってオリジナルに乗り換えることもありますね。
集まるメンツや良く集まるメンバーに合わせたものを買うという発想も
僕個人の意見ですが、女性の多い会で遊ぶなら「コザイク版」や「ドーナッツ版」も全然ありだと思います。ゲーマー同士遊ぶなら「オリジナルのポイズン」が良いと僕は思います。
集まるメンツ次第で買うエディションを変えてもいいですし、複数エディション持っていてメンツ次第で出すエディションを変えるのもありだと思います。
いろんなエディションがあることはこのように僕は前向きに考えています。
結論、買いか?見送りか?
さて、長々とお話して申し訳ありませんした。今回のメンバーズオンリーの再販については、個人的には全然買いだと思います。
Amazonの予約価格で3300円なのを考えるとオリジナルとの差異を加味しても十分買いだと思いますね。
3300円というのはボードゲームとしてみればかなり安い部類です。国内評価の非常に高いゲームの再販としては異例の安さではないでしょうか?
僕としては「ボードが少ない」「豪華化再販を避けた」これだけで十分です。しいて言うならイラストだけ「アタッケ」みたいに渋い路線でいってくれれば完璧でしたが、十分良い再販だと思います。
是非この機会に名作「メンバーズオンリー」に触れていただければと思います。
- 発売日: 2020/04/24
- メディア: おもちゃ&ホビー