大佐の遊び場

ボードゲーム、本、旅行、日々思うことなどを書き綴るブログです。

3人ボードゲーム会

 久々に帰省した友人と弟の3人でボードゲームを遊びました。今回のメインディッシュはクニツィアの「多重塔」です。また話題作の「アズール」も初めてプレイしました。以下レポートです。

パレード

ざっくり解説

 基本的には失点を避けていく「失点回避のゲーム」です。6色あるカードで各色の取得枚数が最高の人は失点が大幅緩和されます」。そのため、何色かは最多を取るよう立ち回って逃げ道を作っておくことが大事になります。

 カードを出した時の引き取り判定が結構ビデオゲーム的でやや複雑ですが、間違いやすいとかいうことはありません。

 

 また不思議の国のアリスのキャラクターがパレードで列をなしていくというテーマも、まあまあゲームに合致しております。カードイラストのオシャレさもあって、もっと評価されて良いゲームだと考えています。

プレイレポート

 今回は2回遊びましたが、1回目は弟と友人が引き取りまくってくれて、ほぼ引き取りなしのトップ(流れが良すぎました)。2回目はゲーム序盤から引き取りが発生し、終始苦しかったですが、なんとか最下位を回避しての2位でした。

 手番事に一番良い手を考えればよいゲームだと思っていましたが、最多枚数を狙う色を場に撒いて、一気に回収するタイミングをうかがうのが難しいです。そこに気付いたので、今回は改めてこのゲームの良さを再認識しました。良いゲームです。

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奇跡的に失点が少なかった1回目。確か10数点程度でした。

製品のリンクとヴァージョンの小噺

パレード 完全日本語版

パレード 完全日本語版

  • 発売日: 2016/08/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

  リンクを貼ったものは最新版ですね。イラストが大分現代風になった感じがあります。僕の所有しているのはZ-manの旧版だったと思います。

 何度も再販を重ねているあたりがこのゲームの実績を物語ります。日本産のカードゲームでこれと「アールエコ」は何度も再販されている実績のあるゲームです。

 多重塔

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ライナー・クニツィアの新作「多重塔」です。

ざっくり解説

 クニツィアの6重の塔の建設ゲームです。塔の建設は袋から塔のパーツを手探りで引いて丁度良い大きさのものを引くことを狙います。かなり思い切ったシステムが目を引きます。

 この奇抜なメイン要素ですが、場にある塔の状況から確率計算は明確です。分かりやすく悩ましいです。

 

 ゲーム中に4~5階層目あたりは結構勘違いしてしまうことが多く、間違って引くこともあります(笑)。それがまたゲームを盛り上げます。

 またプラスチックの塔タイルも出来が良く、ゲームプレイ中のボード上はなかなか写真映えします。インスタグラムを意識したゲームデザインは最近のトレンドなのかもしれませんね。

 

 脇を固める要素はクニツィアらしく悩ましさが明確で、他のプレイヤーを意識する必要があります。特殊タイルはどれもバランスが良いように思います。バランス取りが非常に上手なあたりは流石のクニツィアブランドだと思いました。

 奇抜な仕掛けが特徴的ではありますが、まごうことなきクニツィアゲームです。

プレイレポート

 今回は僕が「捧げもの追加」、弟が「タイル購入&値引きタイル」、友人が「建設追加」とキレイに戦術が分かれました。3人だとこういうシチュエーションになりやすいかもです。

 

 しかし、いただけない点が1つあります。それは目的タイルがバリバリの英語です。読めない人は読めません。現代においてアイコン化されていないのは意外でした。ここは大きな不満点です。

 説明はしたものの皆が意識していなかったらしく、ほぼ初見殺しのような形で独占することに。適切にプレイしていればウィズダムタイルボーナスの5と10は弟に持っていかれていたでしょう。説明不足でしたね。

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写真映えもかなり良いですね。今日一番のゲームでした。

 結果は19、19、18の大接戦でした。トップタイでした。

 ボーナスタイルをだいぶせしめたものの、仏塔が建つかのギャンブルを他の2人に当てられたので、そこで縮まりました。そこの差と考えると3種のアクション追加のバランスは良いと言ってよいと思います。

 ウィズダムタイルのボーナスを意識されていると弟に負けていたので偽りの首位なのは間違いないです(苦笑)。もう少しアドバイスしたほうが良かったかもしれません。

 

 かなり触感が良かったのでまた機会があれば遊びたいです。他の参加者の2名もかなり好感を持ってくれたらしく、間違いなく本日のベストゲームだったと思います。

3種類の追加アクションのバランスの考察

 「捧げもの追加」は序盤は強いものの、有効起動回数に限界があり(最大8回)のでゲームが長引くと強くないなと思いました。

 「タイル購入」は購入機会が多いほど強いので、ゲームが長引くと強そうです。「建設追加」は終了条件の塔の完成を早め、ゲーム終了までを早くします。

 

 端的に言うと短期戦向き、長期戦向き、ゲームのペースアップの3すくみになっており、わかりやすくジャンケンのような関係になっているように思います。絶妙なバランスに感じました。

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3種類の追加アクションの相性関係はこうなっていると感じました。

アズール

ざっくり解説

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続編が発売されてい続けている話題作「アズール」

 とてもオシャレなタイルのコンポーネントが目を引くゲームです。オシャレなタイルとは裏腹に本格的なゲームです。ラウンド毎のタイルのコースター上の分配以外に運要素はありません。

 

 タイルドラフトがメインのゲームで、上手く効率的にタイルを集めることが目的ですが、自分の得ばかり追うと他人も楽をしてしまうのでその辺の加減が難しいです。

 そのため上手で計算的なタイル取得が大切です。見た目がアブストラクト(運のないゲーム)的なのですが、大分アブストラクト的なプレイ感です。

 

プレイレポート 

 まず第一印象として思ったのは序盤の指針がほとんどなく、皆何をして良いのかわからないところです。とりあえず手なりにタイルを集めていくことになりました。

 今回は青のタイルをコンプリートすることを目指します。コンプリートボーナスは非常に大きいです。しかし、コンプリートしてしまうとゲーム中そのタイルを取得することがほぼ不可能(取ったら失点)になるのは悩ましいところです。

 

 中盤に要らないタイルの押し付け合いが2度発生し、友人と僕は大量失点を被りました。僕が思うにこれはハッキリ好き嫌いが分かれそうな要素です。

 しかし大勢に影響はなく、友人1位、僕2位の順位は崩れずにそのままゲームセット。今回は7ラウンドほどかかった気がします。長引いた部類でしょう。

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青いタイルをコンプリートして2位でした。

やや詳細レビュー

 序盤の指針が全くなく、中盤以降は取得制限がかかるので何も考えずにプレイすると、ゲームに翻弄されている感じが強いです。今回は初心者3人だったので、余計にそう思いました。最終盤に至ってはできないことが手を制限してきます。

 序盤の方針の無さ、終盤の制限の2つの要素の噛み合いがイマイチに思います。この組み合わせのミスマッチ加減を許容できるかどうかは、本作の評価を分ける部分だと思います。

 要らないタイルを大量に押し付けるのはする側は気持ち良いかもですが、される側としては印象が良くないです。直接攻撃的な要素なので好みが分かれそうです。

2人で真剣勝負か4人で緩く楽しむか

 人数が増えれば増えるほど噛み合いゲーになると思うので、4人で遊べば大分緩く遊べてかみ合いのゲームとして楽しめると思います。ガッチガチの2人か制御不能な噛み合いゲーの4人プレイのどちらが合うかは個人の好みが出そうです。

 長期的プランを立てるのは対戦相手次第な感があります。人数が増えれば増えるほど、先の予測は困難にになっていくでしょう。2人プレイがベストというBGG(※1)の評価も頷けます。

 

※1:

Board Game Geekの略。海外の大手ボードゲームサイトです。

ゲームごとのベスト人数を出しており、アズールは2人がベストが多数でした。 

僕個人の評価

 アブストラクトが苦手な僕には合わないゲームでした。これは好みの問題です。アブストラクトが好きな人には向いているゲームだと思います。

  オシャレなゲームなので、非常に写真映えします。人数多めで緩めに楽しんで良し、厳しめに2人で一騎打ちを楽しんで良しなので、気になる方は是非どうぞ。

アズール 日本語版

アズール 日本語版

  • 発売日: 2018/02/24
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

ボーナンザ

ざっくり解説

 なかなかない手札が並べ替え不可能の交渉ゲーム。システムが無理やり交渉させに行くので、交渉させられます(笑)。くれる、あげるの友好的な交渉もしばしば。楽しく&計算高く交渉してマメを集めて育てて稼ぐゲーム。

プレイレポート

 今回は3人で3番目の畑なしで2つからスタートのルールでプレイ。やってみましたがすさまじく厳しかったです。

 まず3人で2つずつの畑というのは畑が全部で6つしかありません。マメの種類は全部で8種類です。6つの畑に8種類のマメ、どうあっても2種類あぶれます。

 そのため頻繁にマメの植え替えが起こります。正直、ヴァリエーションルール扱いされていますが3番目の畑は全員最初から無料で支給されるルールで遊ぶ方が良いです。こうなると9つの畑に8種類のマメなのでだいぶマイルドになります。

 

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惜しくも1ターラー足りず。相変わらず良いゲーム。

 今回は友人のみが3番目の畑を購入し、残り2人は我慢する形になりました。弟が何が上手かったのか1ターラー余分に稼いでおり1位でした。僕と友人が20ターラーで2位タイでした。接戦でした。

 

 手札が並べ替え不能というゲームシステムは他に類を見ません。交渉は友好的にも計算高くもどちらも許容してくれる良いゲームです。

ボーナンザ (Bohnanza) 日本語版 カードゲーム

ボーナンザ (Bohnanza) 日本語版 カードゲーム

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

終わりに

 今回新しく遊んだ「多重塔」は全員が今回のベストゲームに挙げる良作でした。

 「アズール」は見た目はキレイですが、本質はシヴィアな本格派ゲームでした。残り2つのゲームは定番でよく遊ぶものです。

 たっぷりと夕方まで遊んだので夕食を食べて解散しました。またこうして集まって遊びたいです。