大佐の遊び場

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クニツィアゲームのアニメイラスト版について思う

 こんばんは、大佐です。今日はボードゲーム界隈で問題視されていそうな事柄の1つである。「イラスト改変の再販」についてです。

 中でも、クニツィアの作品は『ポイズン』、『ヴァンパイア』そして、最新作の『チョコっと密輸』など、グループSNEさんからアニメ風なイラストにして再販・販売されています。

 これに対し、いろいろ思うところはあろうかと思います。今日は僕の思うことをお話しようと思います。それでは参りましょう。

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最新作の『チョコっと密輸』について思うことが皆さん色々あるでしょう。

 【目次】

 結論

 ただ個人的な感情の話をするとアニメイラストはやはり少し苦手です。とはいえ、総合的に見れば、僕個人としてはアニメイラストを悪いとは思っていません。

そもそものイラスト改変の意図はなにかを考える

 これは僕の仮説です。アニメイラストに変えることで国内市場を意識しているのだと考えています。アニメ風イラストを選択することで国内の幅広いユーザー層に受け入られることを目的にしているのではないかと、僕は考えています。

良いゲームがより多くの人に届くのは良いこと

 おそらくアニメイラスト改変に良い顔をされない方も、以下の主張には同意していただけるかと思います。それは「良いゲームがより多くの人に届くのは良いこと」ということです。

 

 例えば国内のゲーマーの評価の高い『電力会社』や『王と枢機卿』のような渋いゲームが、大多数の人に遊ばれる世界を想像してみてください。例えに出した2作でなくても、自分の好きな渋いゲームなら何でも良いです。僕は理想郷だと思います。

 ただ、やっぱり現実はそう甘くないです。多くのユーザーは渋いパッケージのゲームに興味を示してくれるかというと難しいです。パッケージ(第一印象)から、多くの顧客層に受けるようにデザインすることも必要になってくると思います。

第一印象が大切という考え方「ハロー効果」

 心理学の世界に、対象物の第一印象が良ければ、その他の印象を都合よく歪めて捉えてしまう錯覚作用として「ハロー効果」があります。

 見た目を良くすることは、心理学的に見ても非常に有利になると思ってもらえればだいたいOKです。多くの人にとって可愛らしいイラストは魅力的に映ることが多いと思います(確率的な話です)。

 

 アニメイラストのパッケージは現代のゲームのトレンドを見るに、現代の若い人に「ハロー効果」を期待したデザインと言えなくもないです。

 どんな良いゲームでもまず手に取ってもらえなければ売れません。見た目を良くすることは評価される機会をより多く獲得するという意味では、僕は正解だと思います。

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人の見た目のハロー効果は、生涯年収や刑期にも影響すると言われるほどです。

もちろん実際に遊んでもらったり、不動の名作なら話は別です

 あくまで見た目が大切というのは、プレイしてもらう、手に取ってもらうの機会獲得の面で有利というだけの話です。実際に手に取ってもらって面白ければ、見た目に左右されず売れることがあります。

 『カタンの開拓者』、『ドミニオン』はアニメイラストでないのに国内ではいまだに強い人気のある作品ですからね。このクラスになればもう見た目は関係ありません。勝手に売れるフェーズに入っています。

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渋い見た目のゲームだが、カタンは売れていますね。このクラスになればもう別格です。

特に『チョコっと密輸』はパッケージ改変して正解だと考えています

 大切な大前提から入ります。「このパッケージを完璧の正解」だとは一言も申しておりません。あくまで"オリジナルより日本市場を意識するならば、こちらを支持する”程度のものとお考え下さい。

 

 個人的には『チョコっと密輸』ことオリジナルの『ヤバいブツ』はパッケージデザイン的にも商売っ気が無さ過ぎると思います。ボードゲームギークのデータでも所有17人、評価数はたったの5件です。全く売れていないと言って差し支えない数字です。

 このまま日本市場に持ってきて全然売れないかと言われると、それも間違いです。クニツィアというネームブランドだけでいくらかは売れます。しかし、多くの人にリーチすることは難しいと考えています。

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この見た目、クニツィアでなければなかなか売れないと僕は思います。

そもそもゲームって見た目じゃなく、面白いか面白くないかだと考えています

 僕の思うゲームへの主たる評価要素って、「面白いか面白くないか」それだけだと思います。料理における「美味しいか、美味しくないか」ぐらい最重要項目だと思います。

 まずはここをクリアするかどうかだと思います。ここさえ満たしていれば、僕は見た目は8ビットゲームでも、現代3Dフルポリゴンでも変わらないと思います。ゲームは本質(面白さ)が大事と考えています。

「面白さ主義」も「見た目主義」もどちらも正しい

 もちろん「どれだけ面白くても見た目がダメならばダメ!」と強い主張をされる方もいるでしょう。それもまた正解です。

 世の中には僕のような「見た目より面白さ!」な本質主義者もいれば、「面白さよりも見た目!」な形式主義者も居ます。正解はありません。どちらも正しいです。

面白さ至上主義者の僕の一個人の意見として

 どちらも正しいで終われば、当記事の意味はありません。なので、本記事では本質主義者である僕の一個人の意見として「ゲームとして面白ければ見た目は気にしなくて良いじゃないか」という、主張をするために書きました。

 もちろん、全員の納得を得るのは難しいです。しかし、これを読んで少しでも絵で食わず嫌いする人が1人でも減ればと思い、当記事をしたためさせてもらいました。

終わりに

 今回はアニメイラスト再販についての是非を問う内容を目指して書きました。問題提起して自分なりの意見を述べることは大変勇気が要ります。しかも、今回の内容は多くの人の意見に対し、反対のことを言っていると思います。

 面白い記事を書くにあたって、大多数の方が頷くことを言っても面白くありません。なので今回は思い切った内容にチャレンジしてみました。

 

 僕個人の主張としては「良いモノがより多くの人に届くのは良い」、「物事は第一印象で評価される部分は決して小さくない」、「見た目より中身を楽しもう」の3点に集約されると思います。

 この3点、あるいは部分的にも同意してくれた方が1人でも出れば嬉しいです。特にグループSNEさんのクニツィアシリーズはイラスト改変が目立ちますが、本質は変わらないということを意識して買われる方が増えればいいなと思っています。

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特に新作『チョコっと密輸』はこのエディションしか国内にはありません。

絵で食わず嫌いするのはあまりに勿体ないです。

今日のまとめ

・アニメイラストは国内市場で有利に働くと考えています。

・第一印象で不利だと、まず機会の面で不利に働くことは否めません。

・良いものがより多くの人に届くのは素晴らしいことです。

・見た目が大切、中身が大切はどちらも正しい。僕は中身派というだけです。

・本質が良ければ見た目はあまり気にしない。僕はそういう精神で居たいです。

 

以上です。読んで下さり、ありがとうございました。