大佐の遊び場

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「良薬は口に苦し」はもう古いと思う。

 日本には有名なことわざの1つに「良薬は口に苦し」という文句があります。体に良い薬は苦くて飲みにくいものだという意味の言葉ですね。

 

 実際の用いられ方としては、「良い言葉や概念は受け入れにくく、自分にとって厳しい意見や難しい要求になりやすい」いう使われ方までされていますね。そういう解釈しても良いのではないかなと思います。

 ですが、他者を指導するときにおいての「良薬は口に苦し」は正直、もう時代遅れの概念になってくると思っています。理由を簡単に解説していきます。

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他人を指導する時に使われる「良薬は口に苦し」ということわざは実は好きではありません。

【目次】

手探りで行きつきやすいと思う指導法

 これは1つの仮説なのでその点を踏まえてお読みください。

 昭和や平成初期は管理職など色んな人を指導する立場にある人は、マニュアルや方法論を記したものを手にしたり、参考にしたことが少なかったのではないかと思います。

 そういう人達は「自分なりの手探り」「人から聞いたこと」のおおむねどちらかの指導方法を探っていたのではないでしょうか?

 

 この国では指導者の立場の強いのはもうご存じかと思います。指導者の立場的な優位を考えれば「多くの人が行きつきやすく、かつそこそこの成果を出すやり方」が思い当たります。

 それが「暴力や激しい叱責による指導」だと僕は考えています。これらを本記事内で「恐怖指導」と表現します。

恐怖心を煽ると人をコントロールしやすくなる

 恐怖の感情が強くなると人は思考するより、目の前の危機からの回避・逃避を優先してしまいがちです。ピンチの時にゆっくり考えている時間はありません。なのでこれは本能レベルで染みついている考え方なのだと僕は思います。

 要するに恐怖感情を利用すると他人をコントロールしやすいのです。ゆえに「恐怖指導」はある種の定番の指導法の地位を得てしまったのでしょうと考えます。

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恐怖は人のコントロールを容易くしますしね。

恐怖指導やキツい物言いは他人のやる気を破壊する

 特に「恐怖指導」の一番のデメリットは「他人のやる気を破壊しやすいこと」です。ボロクソに言われたり、殴られたり、見せしめにされたりして、仕事やスポーツに負の感情を持たないというのが難しいと思います。

 やる側も指導方法としての価値がある程度認められているやり方なので、過激だったり暴力的であっても「お前のためを思ってやっている」と思いがちです。

 「恐怖指導」を良しとしている人には良心による歯止めも聞きにくい側面もあると思います。

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「恐怖指導」はこんな心理状態の人を量産するだけではと思います。

 仕事やスポーツそのものに罪がないとしても、「恐怖指導」する指導者がいる組織は居心地が悪いのは間違いないと思います。手軽に組織を変えられるなら変えたいと思うのが人の心理だと僕は思います。

 

 もちろん「恐怖指導」をありがたがってくれる教え子も居るとは思います。しかし、それは「恐怖指導」の生き残り組が大半でしょう。

 挫折組が「恐怖指導を」どれだけ肯定しているかは統計や集計を取るまでもないと僕は思います。

現代は「恐怖指導」に頼らない指導法がもう確立されている

 現代では「恐怖指導」やそれに近いやり方に頼らないやり方が確立されています。

 人の指導方法を記した本はたくさんありますし、「恐怖指導」に頼らない指導方法はwebで調べてもたくさん出てきます。そうした方法論にどんな方法でも簡単にアクセスできる時代なのだと僕は思います。良い時代になったなと強く思います。

 

 また「恐怖指導」はパワハラという言葉の台頭のように、近年になって大分問題視されるようになってきたと思います。これは間違いなく良い傾向です。

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今や公衆の面前で激しく怒鳴るだけでもパワハラです。良い傾向!

相手のやる気を利用するのが現代の指導方法

 人に過ちを指摘する際にも、良い指導者は必ずと言っていいほど「相手に最大限気を使い、やる気を破壊しないような優しい指摘方法」を身に着けているといっても過言ではないと思います。

 結局、人を伸ばすのはその当人の持つ「やる気」の持つ面が非常に大きいと思うので、これを破壊するやり方をよしとする考え方は僕には理解できません。良い指導者は「教え子のやる気を利用しないなんて勿体ない」と考えるのが自然でしょう。

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苦くない指導方法は長期的には教え子、教師ともに幸せになれると確信しています。

良薬はもう口に苦くてよくない時代へ

 「良い指導を指導面の良薬」と定義するのならば、もう良薬は苦くなくて良いんです!これが今回の記事で一番主張したい内容です。

 

 なんだったら指導面における「良薬は口に苦し」という言葉は指導者の傲慢と努力放棄の言葉扱いになっていくべきだと思っています。

 是非ともこれからはもっと多くの指導者に「指導する人は教え子のやる気を破壊しないようなやり方」を模索していってほしいです。

余談、そもそも例え元のお薬ももうそんなに苦くない

 製薬会社に勤務していた経験のある人曰く、現代の薬は甘味料や砂糖でコーティングしたり飲みやすくするらしく、だいぶ飲みやすくされているみたいです。

 今苦くて飲みにくい薬って漢方系の昔から変わらない薬ぐらいな気もしますね。どれぐらいあるのでしょう?

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苦い薬ってそもそもどんだけ飲んだことあります?だいぶ減っていると思います。