お得なサービスにご用心。
最近Youtuberやブロガーなどの影響力を持つ人通称「インフルエンサー」(影響者)と呼ばれる人を通じて、いろいろなモノやサービスを知る助けになることが多いです。
これは基本的に良いことも多いのですが、中には少し疑問に思う面もあります。今回は疑問に思う部分のみのお話をさせてもらえればと思います。
【目次】
- 基本的にはインフルエンサーの試みは悪いものではない
- お得なサービスは新規参入者を増やす狙いがある
- 本題「お得なサービスにご用心」
- お得なキャンペーンが目当てか、商品が目当てか?
- 自分の頭で考えて判断する
基本的にはインフルエンサーの試みは悪いものではない
今回の記事の大々前提としてまずこのことだけは断っておきたいです。僕もインフルエンサーを通じて知った良いサービスやモノはあります。
例えば「まこなり社長」の勧めで買った「Kindle Peperwhite」は長年読書は紙派だった僕に電子書籍のすばらしさを教えてくれました。
「21世紀投資」のV-com2さんの記事を通じてペイペイ系アプリのキャッシュバック率の高さを知りました(3月まで2割ポイントバックでした)。
基本的にこの広大なweb上のサービスの中で、素晴らしいモノやサービスを代わりに見つけて教えてくれる人の価値はすごくありがたいです。
本記事はこうしたブロガー、Youtuberのような発信者、インフルエンサーの方々の活動全てを否定するものではないというところを頭に入れた上で読み進めていただけると誤解が少なくなると思います。
お得なサービスは新規参入者を増やす狙いがある
企業側つまりモノ・サービスの提供者はまず新規の商品やサービスを打ち出す時に、一番手っ取り早いやり方の1つとして「お得なキャンペーン」を打ち出すことが多くなってきました。
例えばキャッシュレス決済の有名どころの「PayPay」は旗揚げ時に「100億円あげちゃキャンペーン」を大々的に打ち出し、あまりの好評っぷりにすぐさま終了してしまったのは記憶に新しいかと思います。
早期参入者が得をする
PayPayが初登場した時には多くの人にとってPayPayは「得体のしれないもの」だったと思います。そんな中「100億円あげちゃうキャンペーン」の初期に飛び込んだ人達は、得体の知れなさを乗り越えて、お得なサービスにありつけたわけです。
これはアンテナの高い人の特権かもしれませんね。端的にいうと情報強者が得をするという側面もあるのではないかと僕は思います。
セブンペイのようなサービスにもご用心
きちんと情報収集をしていないとたまに出る「セブンペイ」みたいに大失敗して、すぐに廃止されたサービスなんかもありますので、しっかりと情報収取し選別できないといけませんね。
何がダメだったのかは詳しくは割愛しますが、ざっくり説明すると「セキュリティが甘く、不正利用のターゲットになってしまった」ことかと思います。
イノベーター理論について
ここで話が少し脇道に反れますが、イノベーター理論という概念が世の中にあり、ざっくりいうと新しい概念の反応速度を5段階にわけたものです。わかりやすく図解したものを張り付けておきますね。
イノベーター(革新者)が一番早く、ラガート(遅滞者)が一番遅いというイメージで良いと思います。
この図式は覚えておいて損はなく、自分が相対的にどこに位置するのかはざっくりイメージしておくと良いです。サービスや商品に関する自己のスタンスを客観視する助けになる概念だと思います。
アーリーアダプター(新規採用者)がサービスを拡散する
このイノベーター理論でアンテナを高め、速やかに新しい商品やサービスを取り込む人はアーリーアダプター以上の人です。特にアーリーアダプターと呼ばれる人が、商品やサービスのお得さを瞬時に察知し、取り込んでいくことが多いでしょう。
このアーリーアダプターにブロガーやYoutuberなどのインフルエンサーが結構いて、良いと思ったものを拡散してくれます。この層を如何に取り込むかがマーケティング戦略の要となるという見方もできます。
自分が商品やサービスの提供者となる目線でいくと、絶対に覚えておいて損はない概念だと思います。
本題「お得なサービスにご用心」
で、ようやく本題に移ります。お得なサービスは主にアーリーアダプター狙いで、彼らにサービスや商品の有用さやお得さを拡散してもらう狙いがある。ここまでは理解してもらえたかと思います。
お得なサービスとキャンペーンにはいつか終わりか改悪がある
彼らインフルエンサーを通じて拡散されたお得なサービスや商品は「いつまでもお得なままを継続できない」ということを強く主張したいです。
PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は早期に資金が尽きて終了したように、お得すぎるサービスにはいつか終わりがあるということです。絶対的に言えるのは、マーケティング戦略はそれが目的を達成したら終了する可能性が高いのです。
株主優待ですらお得すぎると改悪や廃止がある
企業はお客さんも大事ですが、それより大事なのは株主です。株主は出資者なので、お客さんよりも大切な存在といって差支えないと思います。
その株主に出す株主優待ですらお得すぎると廃止・改悪のリスクがあります。廃止の実例を出すと、一番印象的なのはエリアクエスト(8912)です。
25000円ぐらいの投資で1000円のクオカードを優待でくれましたが、優待だけで5%近くあります。すごい優待効率です。
ですが蓋を開けてみると初回1回こっきりでたった5か月で優待廃止を発表。このすさまじい対応に株価は暴落しました。
話は少しそれましたが、このセクションで言いたいことはお客さんよりも大事な株主に対しても、お得過ぎるサービスは継続できないということです。
お得なキャンペーンが目当てか、商品が目当てか?
その商品やサービスを購入する際に商品やサービスが目的物であれば良いのですが、お得なキャンペーンが主な目的であった場合、それが中止になった時に肩透かしを食らう可能性があるということです。
商品やサービスをインフルエンサーの影響でポチる場合でも、その商品とサービスが本当に自分が欲しいものか良く自問してみると良いでしょう。またお得なキャンペーンやサービスの賞味期限がいつまであるかを考えるののも大事なことです。
自分の頭で考えて判断する
結局のところここに行きついてしまいます。受け手もインフルエンサーの言うことを鵜呑みにして「幻想みたいなお得なサービスをいつまでも続くと思わないこと」が大切といって間違いないかと思います。
中にはずっと企業努力で継続する稀なケースもあるでしょうが、サービスの提供者も利潤が上がらないようなサービスを継続できません。いつか終わりがあると思っておくほうが、希望や過剰な期待を裏切られなくて済むでしょう。
インフルエンサーやサービスとの付き合い方が上手くなる
「どれぐらいお得でどれぐらい継続可能か?」ある程度自分で考えて判断できるようになると、こういったサービスやインフルエンサーとの付き合い方が上手くなっていくと思います。
この情報社会において、情報の判断や取捨選択が上手くなることは必須のスキルといって良いでしょう。情報弱者にならないためにも、自分の頭で考えることを辞めないことが大切だと僕は思います。